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書籍 「新よくわかるサプリメント
-医者と患者のための完全マニュアル-」
新よくわかるサプリメント
-医者と患者のための完全マニュアル- 第4版
監修:信川 益明(日本健康科学学会理事長)
執筆:信川益明/伊藤仁/田中喜代史/浜野弘昭/大濱宏文/佐々木敏/石田幸久/梶本修身/神田晃/井上倫/足立香代子/中村丁次/武藤正樹/安田節 (執筆順)
書籍データ
A5版/425頁/2006年1月刊行
出版社:三宝社/ISBN: 4-914979-03-9
主要目次
第4版の発刊にあたって
2003年1月に本書の初版を発行してから3年が経過した。日本健康科学学会シンポジウム『健康維持と「健康食品」~サプリメントとどうつきあうか~』(2003年1月25日、東京医科大学病院にて開催、実行委員長 信川益明会長)を主催し、340名の多くの方に参加頂き好評を得るところとなった。本書は、幸いにも大学院生、大学生、専門学校生、さらには広くサプリメントアドバイザーの教科書として受け入れられるところとなった。
近年、保健機能食品制度の創設、食品衛生法の改正、健康増進法の施行、不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)の改正が行われてきており、厚生労働省の「健康食品」に係る制度のあり方に関する検討会が発足し、提言が出されるなど健康食品を取り巻く社会環境が変化している。
このような状況下にあって、日本健康科学学会シンポジウム『健康維持のためのサプリメントの理解と適切な使用~科学的に検証された情報提供と選択~』(文部科学省研究助成を受けて2006年1月28日、東京医科大学病院にて開催、実行委員長 信川益明会長)を主催するに当たり、本書の改訂を望む声が多方面から寄せられ、その声におされて、改訂第4版の刊行を行うこととした。この間の変化に即応した記載内容の刷新と充実を目指したつもりである。執筆の諸先生には敬意と感謝を捧げたい。
今回の改訂版が初版にもまして多くの読者に受け入れられることとなり、健康の維持・増進において、サプリメントを理解し適切に利用していただければ望外の幸せである。
引き続いて出版にご尽力いただいた三宝社の関係諸氏のご協力に感謝いたします。
日本健康科学学会 会長
信川 益明
序文から
健康の維持・増進にはまず、きちんとした食事が大前提であるが、昨今、食事だけで栄養バランスをとることが困難な方も増加している。そのような場合には、不足した栄養成分を補給するためなどに、食品の生体調節機能を利用することが考えられる。とはいっても、医薬品のように顕著な効果を期待すべきものではなく、あくまでも食品として日常生活に使用するものであるから、自分の健康状態を観察し、何が不足しているのか、何が過剰気味であるかなどを考え、自分に適したサプリメントを選ぶことが大切である。
いわゆる健康食品の情報はテレビ、雑誌等により提供されているが、科学的根拠、安全性などの情報は不十分であり、不適切な表示や摂取方法等により健康を損なう恐れもある。現に品質、広告等に対して国民生活センターへの苦情件数も年々増加している。
このような状況を鑑み、日本健康科学学会シンポジウム(文部科学省研究助成を受けて2003年1月25日、東京医科大学病院にて開催)を実行委員長として主催するにあたり、シンポジウムは、保健、医療、福祉の連携、教育を支援する健康科学として、『健康維持と「健康食品」~サプリメントとどうつきあうか~』をとりあげた。
国際的な視野でのサプリメントの理解と活用に焦点をあて、食品の分類と表示、健康補助食品の利用方法、注意点を踏まえ、健康維持や生活習慣病の予防などに、どのようにとり入れていくか、などのサプリメントについての最新の国内外の内容を分り易く青少年や社会人に普及することを目的とした。本書は、そのときの内容を中心として刊行するものである。サプリメントを理解して活用するためには、本書の内容は必須のものである。
シンポジウム1「サプリメントのグローバルスタンダードとは~理解と適切な利用のために~」は、住民がサプリメントを理解し適切に利用するために、まず、知っておかなければならないサプリメントの世界標準について、健康補助食品とサプリメント事情の日欧米の比較、健康強調表示とその科学的評価などをとりあげた。(第1章、第2章、第9章)
シンポジウム2「サプリメントとどうつきあうか」は、シンポジウム1を受けて、食品の有用性と安全性の評価を踏まえて、健康維持と生活習慣病予防のために、サプリメントをどのようにとり入れていくか、および指導者の養成などの課題をとりあげた。(第3章、第4章、第5章、第8章)
これらに加えて、健康・栄養とQOLおよび健康栄養食品と医療経済をとりあげている。(第6章、第7章)
今後は、管理栄養士、栄養士とともに、医師、看護師、薬剤師なども保健機能食品や健康補助食品などの食品についての十分な知識と技能を修得し、患者を含む消費者に対して、正しい保健教育とともに、栄養表示基準制度、適正な保健機能食品や「いわゆる健康食品」などの利用についても適切な指導のできる人材の育成が必要である。
医療、保健、福祉に関与する関係者および患者を含む消費者が、国際的な視野でのサプリメントを理解し活用するために、本書は必読の書籍である。
本書を熟読し、サプリメントを理解・活用し、健康の維持・増進において役立てていただければ幸甚である。
終りに、本書の刊行にあたって種々のご尽力をいただいた三宝社の関係者各位に感謝いたします。
日本健康科学学会 会長
信川 益明